探偵物語 1979年9月〜1980年4月 日本テレビ系

原案:小鷹信光  
レギュラー:松田優作、成田三樹夫、倍賞美津子、ナンシー・チェニー、竹田かほり、山西道広

音楽:SHOGUN、制作:東映芸能ビデオ

第1話 「聖女が街にやって来た」 監督:村川透、脚本:丸山昇一、ゲスト:緑魔子、熊谷美由紀
冒頭、シスター(緑魔子)に工藤俊作が対応するシーンから笑いを。名門校西南女学院の生徒が他人の鞄を盗ってしまったので、その鞄を持ち主に返してくれと依頼するところから物語は始まる。持ち主のところに返しに行くと、持ち主は殺されて、工藤は殺人犯に誤解され・・・あとは、警察と犯人のギャングに追われ、シスターと逃げる・逃げる・・・第1話から全開!

第2話 「サーフ・シティ・ブルース」、監督:村川透、脚本:那須眞知子、ゲスト:中島ゆたか
冒頭、愛車のベスパが煙を吹き出して、、そこがクライアント(中島ゆたか)の家の前。クライアントの使用人ゴウダにベスパを修理してもらう。家出したクライアントの娘を捜してくれと依頼され。逗子マリーナで最近その娘を見かけたとの情報を得て、目撃者や仲間の情報源をたどっていく。娘は風俗で働いていることを突き止めて。。。連れ返そうと娘を探しに行くところで、娘とその悪仲間が宝石店に強盗・殺人し、、その娘も殺され、、、ハードボイルドなゴウダの物語か?

第3話 「危険を買う男」 監督:西村清、脚本:佐治乾 ゲスト:長門勇、藤木悠 
仕事をしないことにしている日曜午前、ある女性の行動を、電話盗聴などして、3日間調査してほしいと 依頼される。調査の先は相木法律事務所。忍び込んで盗聴器など仕込んでいると、相木「政子ちゃん」 (倍賞美津子)登場。小平建材の放火殺人事件の犯人として捕まった少女の弁護中。マサコちゃんは真っ 赤なマツダサバンナRX3に乗って調査に出かける。政子ちゃんが調査している先で、次々ちんぴらが襲っ てくる。工藤は政子ちゃんに状況を説明して忠告。政子ちゃんは、建設現場に居る小平建材の社長に 接近し、社長が倉庫に保険金目当てで火をつけたのではないかと迫る。その建設現場に、ちんぴらたちが 迫り、、、ラストは壮絶なヘリとカースタント。準レギュラーの政子ちゃん登場の巻。

第4話 「暴力組織」  監督:西村清 、脚本:佐治乾 、ゲスト:風間杜夫
前夜、ユウジ達とドンチャン騒ぎしていた工藤が目覚めるとそこはフェリーの中。ユウジが運転していた フォルクスワーゲンには2億円の現ナマが。船酔いに苦しみながら千葉に到着すると、ユウジは殺されて ワーゲンのトランクの中に。工藤は殺人犯として警察に追われ、、、工藤はシンジケートの人間に捕まり 、金は何処かと拷問されるが。金は政治資金だった。シンジケートのトップの息子はその秘書(風間杜夫 )で。24時間以内に、シンジケートから金を持ち逃げした奴を見つけるよう指示される。

第5話 「夜汽車で来たあいつ」 監督:澤田幸弘、脚本:丸山昇一、ゲスト:水谷豊、原田美枝子
福井から田村一郎が妹のユミを探して上京してきた。しかし、ユミが勤めていた店はすでにやめていて、見つけることができず途方に暮れているところで、工藤に出会う。工藤と田村は意気投合して、飲み屋、ディスコなどを巡る。工藤は、ユミの勤めていた店、ユミの恋人(交通刑務所入り)などをたどって、コールガール組織に行き着く。一方、田村は、やくざに追われていた。工藤と田村の友情、そして、一郎とユミの兄妹愛物語。

第6話 「失踪者の影」 監督:西村潔、脚本:佐治乾・柏原寛司、ゲスト:亜湖、片桐竜次
日曜と午前中は働かない工藤のもとに、大月から出てきた木下レイコ(亜湖)が、婚約者で失踪してしまった岡本さんを探してくれと依頼されてしまう。やむを得ず岡本を捜して、岡本が宿泊している、しかし4日前から荷物を置きっぱなしで戻っていない、ホテルの部屋に潜入すると、そこに服部刑事らが現れる。岡本は、殺人事件の目撃者と見込まれていた。その事件の背後には整理屋グループが。コミカル、かつ、岡本に騙されたレイコの愛情物語。

第7話 「裏街の女」 監督:澤田幸弘、脚本:佐治乾、ゲスト:赤座美代子、梅津栄、たこ八郎
美容室ディオールの店長芦川から依頼され、工藤は廃品回収業の池田正吉の調査に着手。芦川の娘亜紀から、実は池田の住所を知っているときかされ、併せて教えられた池田商店の詳しい場所を知っている尾張屋食堂の店主とともに池田のもとに行くが、そこで、工藤は池田に襲われる。なんとか逃げ出した工藤だが、翌朝、服部刑事らに、池田殺しの容疑で逮捕されてしまう。これを助けるべく、相木政子が、尾張屋にたむろしている怪しい連中などから聞き込みを開始。池田が殺された晩、香水をつけた女が訪ねてきていて、池田が女に10万円渡していた事実を掴むが。。。今回は、相木政子弁護士がほとんど主役状態で殺人事件調査に活躍する物語。

第8話 「暴走儀式」 監督:長谷部安春、脚本:中島紘一、ゲスト:片桐竜次、八城夏子
工藤は、自動車修理工場を営む岡島から、1年前に家を飛び出て暴走族の仲間入りしてしまった息子のススムを連れ戻して欲しいと依頼を受ける。工藤は、暴走族のたまり場であったディスコでエミに接触。すでに、暴走族は解散していたが、エミから、元暴走族仲間でロックミュージシャンとなっていた柳田高志について聞き出した。工藤が、柳田の事務所ビルを訪ねると、柳田はビルの屋上で殺されていた。お決まりのとおり、服部刑事らに、工藤が容疑者として追われることに。工藤は、エミに、柳田が殺された夜に事務所ビルの横に、ススムのバイクがあったことを伝え、二人でススムを探し始めるが、、、これは、暴走族仲間の仲間意識と裏切りの物語。

第9話 「惑星から来た少年」 監督:澤田幸弘、脚本:宮田雪、ゲスト:樹木希林、岸部一徳
工藤が易者から小児殺の大凶だと言われたその日、事務所に戻ると、荻野マコトと名乗る少年が。姉ちゃんが、バラモン星人に誘拐されたので助けてくれと訴える。結局、子供の依頼を断りきれず、工藤は、子供のアパートに行くと、そこには見知らぬ女(樹木)と男達がいて、荻野の住居ではないと工藤と子供を追い返す。姉ちゃんの婚約者の夏八木(岸部)のマンションを訪ねると、そこも空。その後の調査で両名とも誘拐されていたことが判明。調査を続ける工藤と少年の後を、バラモン星人の女がつけ狙う。。。今回は、アンドロメダ王女を襲撃したバラモン星人との戦いの物語。横浜ドリームランドの在りし日の姿が映っている!

第10話 「夜の仮面」 監督:長谷部安春、脚本:白坂依志夫、ゲスト:田口久美、内藤陳
コールガール殺人の罪で捕まった男の無実を突き止めて欲しいと依頼された工藤は、服部刑事らから事件の情報を聞き出す。そこで、同じ日に、商社の部長の自殺があったことを知る。工藤は、自殺した石堂部長の妻(田口)を訪ねると、そこに石堂が診療してもらっていた精神科医が。聞き込みを終えた工藤は、帰り際に、石堂の車に衝突の跡があり、また、車内には、コンパニオン斡旋会社の会員証が。このコンパニオン斡旋会社に乗り込み、石堂部長が自殺の前に殺されたコールガールと会っていたことを突き止める。。。今回は、かなりダークな結末の物語。

第11話 「鎖の街」 監督:西村潔、脚本:丸山昇一、ゲスト:岩城滉一、三浦リカ
工藤の事務所に、とつぜん、取立屋の木下(岩城)が飛び込んでくる。回収の手伝いの依頼。最初は違法だと断るが、結局、手伝う羽目に。その晩、回収の依頼者であるバー・グレースのホステスに金を渡したところで、ホステス仲間のタミと出会う。木下は、回収の打ち合わせをタミの部屋で行い、部屋をでる。手帳を忘れた木下はタミの部屋に戻ると、タミは殺されていた。途方に暮れて木下は工藤のもとに駆け込むが、結局、警察に事情を説明に行く。工藤は、木下が無実であることを証明するために、聞き込みを開始。裏でコールガール組織を営んでいる金融会社に乗り込むが、その結果、もう一人別の女の自殺事件に行き当たる。この話は、見かけは軽い木下の純愛物語。

第12話 「誘拐」 監督:加藤彰、脚本:和久田正明、ゲスト:藤村有弘、ホーン・ユキ、岡本麗
仕事が最近なかった工藤事務所でナンシー・かほりらがどんちゃん騒ぎをしているところに、仕事依頼の電話が。成城の高宮(藤村)という金持ちから、家出した娘を連れ戻して欲しいとの依頼。工藤は20万円で引き受けることに。心当たりと教えられたディスコで、娘マヤ(ホーンユキ)を発見。事務所に連れ帰り、翌日、高宮の家に電話するとイタリア語を話す男が。一方、マヤは家に帰ることにしたと、工藤のベスパで送ってもらう。途中、家出の道具が入っているトランクをホテルから持ってきて欲しいと工藤に依頼。工藤は、ホテルにトランクを取りに行くと、、、「日本のハードボイルドの夜明けはいつ来るんでしょうね、小鷹信光さん」の台詞が飛び出る、すこし甘酸っぱいハードボイルド物語。

第13話 「或る夜の出来事」 監督:加藤彰、脚本:丸山昇一、ゲスト:岸田森
怪盗103号による宝石強盗事件があった晩、相木政子は、偶然出会ったバハマから里帰り中の高村(岸田)を車にのせて自宅に連れ帰る。翌朝、服部刑事らが政子のマンションに現れ、高村が怪盗103号だと告げるが、政子に追い出される。浮気調査で忙しい工藤に、政子は、高村を探して欲しいと依頼。政子は、高村の宝石泥棒の現場を押さえてぎゃふんと言わせたいというが。。。岸田森の怪しげな髪型が、間抜けなラストの伏線に。

第14話 「復讐のメロディー」 監督:村川透、脚本:那須真知子、ゲスト:范文雀、長谷川明男
夜の雨の公園通りで、工藤は或る女から、今日で私の命は終わったと呼びかけられる。女は大杉亜木子と名乗り、夫の大杉弁護士が、殺人事件の濡れ衣着せられ追いつめられたため自殺したのだが、真犯人を捜して欲しいと依頼。工藤は、相木政子から、大杉の事件の調書を入手。死体第一発見者の西田刑事や証言者に聞き込みを開始する。工藤は行き詰まってしまったところで、相木の「同様の事件を調べたら」という言葉がヒントで2年前の殺人事件の第一発見者も西田刑事であることを発見する。今回は、亜木子が、女版ハードボイルドの主人公となる、ムードのあるハードボイルド作品。

第15話 「脅迫者」 監督:村川透、脚本:柏原寛司、ゲスト:内田良平、山本麟一
誰もいない野球スタジアムに呼び出された工藤に、角材が降ってくる。タフに交わしたところに、田畑という男が現れ、気に入った、100万円だすからと仕事を持ちかけられる。しかし、怒った工藤は帰ってしまう。その後、工藤のもとに鍵と手付け金が郵送される。工藤は、仕事は引き受けないことを伝えようと田畑を訪ねるが、そこでやくざらに追われることに。実は、田畑は、国会議員岡本の贈賄事件の証拠を掴み、強請ろうとしていた。今回は、でかい汚職事件と、男同志の心のつながりの物語。

第16話 「裏切りの遊戯」 監督:村川透、脚本:内田栄一、ゲスト:根岸とし江、ジョー山中
工藤の元にLA帰りの旧友のジョージが現れる。ジョージはホテルに戻り、警察無線を傍受。その後、女が工藤に、人を探して欲しいと依頼。代々木公園に二人で行くと、そこに刑事が待ち伏せ。工藤は、あやうく殺人事件の犯人として逮捕されそうになる。実は、ジョージは、昔、工藤が妙な庇いかたをしたため、逆に、別の事件のアリバイが成立せず、結果として刑務所に放り込まれたことを恨んで、工藤を無実の罪で刑務所に送り込もうと企んでいた。ママー、do you rememberと、これで岡田茉莉子さんが登場すれば「人間の証明」となってしまいそうなキャスティングの物語。

第17話 「黒猫に罠を張れ」 監督:小澤啓一 脚本:宮田雪 ゲスト:高品格、宮下順子
輸送中のゴヤの名画が、怪盗黒猫に強奪された。一方、工藤は黒猫のジュリーちゃん捜しの依頼を受けて大童。そこに黒猫の件でと、東亜火災保険の顧問弁護士が現れる。工藤は、ジュリーちゃんを捕まえてくれたものと思って、東亜火災保険のオフィスまで行くと、そこには、保険会社の役員らと絵画の所有者である仁科蘭子が待っていた。保険会社が言うには、怪盗黒猫から、ゴヤの絵を、2.5億円で買い戻すため、現金と絵画の交換の役を工藤に頼みたいとのこと。工藤は仁科とともに、交換場所として指定された横浜の埠頭に行くが、そこで、銃撃に会う。まんまと現金を奪われてしまった工藤は、保険会社から、絵と現金を取り戻して責任を果たせと迫られる。今回は、少しユーモラスな怪盗黒猫と絵画強奪事件が複雑に絡み合った物語。

第18話 「犯罪大通り」 監督:小澤啓一 脚本:井戸昌雄 ゲスト:石橋蓮司、ハナ肇、熊谷美由紀
工藤は、依頼人篠田(ハナ)を紹介してもらうため時計屋に行く途中、サンマを矢で射抜いた殺し屋(石橋)に出会う。ヤクザの篠田の依頼は、たこ焼き屋の女の娘「銀子」(熊谷)を捜して欲しいというもの。歌手志望の銀子に、篠田は1億円を持たせていた。この1億円は、大阪の私立大学の経理担当者大貫が横領したものを、さらに横取りしたものだった。さらに、殺し屋は、その1億円を狙って篠田を追っていた。銀子は1億円で歌手になり蒸発した父親を捜したい、篠田は銀子とブラジルに行って新たな生活をしたい、大貫は横領した金を取り戻したい、殺し屋は依頼を受けて篠田を狙っていると、複雑な関係のなか、滑稽なストーリーが展開する。今回は、銀子と篠田の心のつながりの物語。

第19話 「影を捨てた男」 監督:小池要之助 脚本:柏原寛司 ゲスト鹿内孝、中島ゆたか、片桐竜次
工藤は、井上(中島)から3年前に香港で死亡した恋人の坂本を最近横浜で見かけたので捜して欲しいと依頼される。工藤は、坂本の勤めていた横浜建設に調査に出かけ、坂本は汚職事件関係者であったが都合良く香港で事故で死亡したことを知らされる。坂本のことを調査する工藤を二人組(片桐他)が監視しており、その晩、工藤を襲撃しそこなう。工藤は、井上に何が起こっているのかを問いつめ、工藤の前に調査依頼していた私立探偵岡部が殺されていたことを知らされる。そして、工藤は、岡部の部下から、RX7に乗る女のことを突き止め、女のところに乗り込むが。今回は、二代目イレズミ者襲名披露の場面も登場する、あほらしくも、かなりシュールなつくりの物語。

第20話 「逃亡者」 監督:村川透、脚本:桂千穂 ゲスト:清水健太郎、永島暎子
ボクシング試合で八百長で負けるはずだった小高明(清水)は、試合に勝って、かつ、受け取った金を持って逃げ出す。興行主の手下に追われる小高は、偶然、工藤のベスパにぶつかる。工藤は、小高を病院に連れて行くと、そこで、小高から、金の包みを、小高の恋人の大貫(永島)に渡してくれと頼まれる。やむを得ず、工藤は、大貫を訪ねるが、今度は、その金を突き返されてしまう。工藤は、小高を探すべく小高のアパートに行くが、そこで大貫、さらに、興行主の手下どもに鉢合わせ。その後、警察で、工藤は、手下どもが関西赤誠会という暴力団の組員であることを知る。

第21話 「欲望の迷路」 監督:村川透 脚本:内田栄一 ゲスト:岩城滉一、風吹ジュン
工藤探偵事務所に、ブラジル帰りのタキタ・ハナコ(風吹)が兄のミツオを探して欲しいと現れる。ミツオ(岩城)は、2000万円の投資プロジェクトのためにハナコの50万円を持って行ったきり帰ってこないとのこと。工藤とハナコが、投資プロジェクトを進めている工藤俊三郎の事務所を訪れると、そこには共同経営者が俊三郎は不在であると言う。工藤とハナコは、俊三郎とミツオを探しに鳥羽まで出張するが。詐欺事件が殺人事件に発展していく。兄妹愛の物語と言いたいが、妙竹林な登場人物が入り乱れる妙竹林な物語。

第22話 「ブルー殺人事件」 監督:澤田幸弘 脚本:田中陽造 ゲスト:寺田農、片桐夕子、志賀勝
全身青ずくめの黒沢組青井(志賀)が、工藤探偵事務所に現れる。刑務所から出所したら、女房(片桐)に間男が居るので、それを突き止めろというのが依頼。工藤は、その妻と夜の公園で会っている男(寺田)の写真を撮り、青井に見せるが、それは、青井を逮捕した浜田刑事だった。その後、青井は妻を問いつめ、東栄会の玉島が間男であることを聞き出し、落とし前を付けに行くが、逆に刺し殺されてしまった。「その日、俺はブルーだった」で始まり、ブルーな結末で終わる物語。本話では、インパクトのある目玉付きアイマスクが登場。

第23話 「夕陽に赤い血を」 監督:澤田幸弘 脚本:那須真知子 ゲスト:結城しのぶ、田村亮
工藤は、バーで知り合ったピアニスト宮崎謙二(田村)と、交差点で再会する。宮崎は、ゆう子という女性と一緒にいた。3人はマーニーという高級クラブで飲んでいるところで、山下という金持ちがゆう子に近づく。その後、宮崎が喧嘩騒ぎで留置場に入っている間に、ゆう子は山下と結婚してしまう。工藤は宮崎を留置場から引き取るが。その晩、山下は、宮崎にひき殺されてしまう。工藤は、真相を調査するため、ゆう子に接近する。そして、工藤は、ゆう子とともに外出し、レーサーであるゆう子の兄に紹介される。今回は、そこそこまじめなライト・ハードボイルドの物語。

第24話 「ダイヤモンド・パニック」 監督:小澤啓一 脚本:宮田雪、大和屋竺 ゲスト:加山麗子、多々良純
交差点で工藤は関東桜会という小規模ヤクザに当てられ、因縁をつけられる。逃げ出した工藤は、翌日、桜会に捕まってしまう。組の事務所に行くと、そこには、組長の真崎がいた。工藤は、真崎から、関西のシンジケートとの間のトラブル解決のためにダイヤモンドを桜組が渡すことになっていたのだが、そのダイヤが消えたので、それを探すか、指を詰めるかと迫られる。工藤は、組員のアリバイ調査を開始するが。今回は、桜会に入ったばかりのイレズミモノが大活躍?の物語。かなりドタバタ。

第25話 「ポリス番外地」 監督:小澤啓一 脚本:佐治乾 ゲスト:中尾彬、田島令子
服部刑事は、ラブホテルの前に駐車中の赤いRX3を駐車違反だといい、ホテルのマネージャから袖の下を受け取る。しかし、服部は、新任課長牛島(中尾)の命を受けた刑事達に収賄容疑で家宅捜査をされてしまう。さらに、服部の恋人と主張する女が現れ、500万円を服部に渡したと主張。実は、警察の秘密情報を売った者がおり、その謝礼として500万円動いていた。さらに、服部の恋人と称していた女がマンションから突き落とされ、服部は殺人容疑で逮捕されてしまう。今回は、「あと二回だと思うとやる気が落ちる」ということで、工藤俊作があまり働かず、松本刑事、かほり等が活躍する物語。

第26話 「野良犬の勲章」 監督:飛河三義 脚本:柏原寛司 ゲスト:峰竜太、水原ゆう紀
服部刑事は、工藤を”警視庁ナンバーワンショウ”でご接待し、連続窃盗事件の主犯格として留置されている宮坂史郎から、盗まれた警視総監の瑞宝章の勲章の在処を聞き出して欲しいと依頼。工藤は、同じく留置されていたイレズミモノに、宮坂から聞き出すよう指示。留置場から護送されている途中、宮坂とイレズミモノは脱走し、イレズミモノが宮坂に密着して情報をとる寸法だったのだが、宮坂は恋人の女子大生ユミのところに転げ込むだけ。そこに、窃盗団の仲間である前島等が押しかけるが。。。今回は、あまりに服部刑事のご接待シーンがインパクトありすぎで、後はかすれてしまう物語。

第27話 「ダウンタウン・ブルース」 監督:小池要之助 脚本:宮田雪 ゲスト:古尾谷雅人、岡本ひろみ、内田稔
工藤は、新宿駅まで、故郷に帰る”仲間”の久美と健を見送りに行く。しかし、その場で久美が撃たれてしまう。久美が病院に担ぎ込まれた後、健は、自分が狙われているので助けて欲しいと電話で工藤に伝える。工藤は、健に、骨董屋の飯塚のところに行くよう指示。工藤が、飯塚のところにいくと、健はすでに居なくなり、飯塚は撃たれて死亡。さらに、工藤が不在中、探偵事務所で、健とイレズミモノが射殺されてしまう。今回の工藤の台詞、「昔、俺に仲間がいて、そいつが死んだときに、もう仲間つくるまいと思って、昔仲間がいて、それも殺されて、だから、もう仲間つくらんと思って、この町きて、なんでみんな殺しちゃうんだ。」や「おいちょっとまて、おい、忘れもんだよ。おい、誰にも言わないから、これ持って帰れ。」は、「なんじゃ、こりゃ。どうしたんだ、ちょっと待ってくれよ。おい。」級のインパクト。ラストの表参道を歩く工藤は、本当は、続編もあり得るという含みでもあったのかと思いたくなったが。。。それは叶わないこと。




放映と同時期(79年9月)に、小鷹信光氏によるハードボイルド小説「探偵物語」が発刊されている。同作では、工藤俊作は、9年前に、両親と妹初子を失っており、ロサンゼルス帰りの、元刑事という設定。ハードボイルド小説としてかなりおもしろい。ただし、基本的に、TVドラマとは別物。
80年2月に第二弾「赤き馬の使者」が発表されている。北海道を舞台に、工藤を襲った襲撃者に対する落とし前をつけるべく勝手に調査を進める話。この話により、工藤の家族の死の謎も明らかになる。

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