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母と子の森の自然



 「母と子の森」は 街に住む子供たちが新宿御苑に残された自然にふれあうことができる場所として1985年から整備されてきた場所です。サクラ、プラタナス、イロハモミジなどのがもともと生育していた環境をできるだけ保全し、さらにクヌギ、コナラなどを移植して雑木林を復元しました。
 「母と子の森」の中にあった子供プール跡地を、生き物が住むことができるような池として復元再生したところ、ヒキガエル、アメリカザリガニ、ギンヤンマ、シオカラトンボなどの生物は園内の他の場所から移動して来ました。
 しかし、自力で移動できる、生物の生息は復元できても、メダカなどの魚は人工的に再生させることは不可能でした。そこで、他の場所で、生息していた貴重なメダカ、ドジョウ、スジエビ、タイリクバラタナゴ、モツゴ、ヨシノボリなどの成魚や稚魚を譲ってもらい放流しました。これらは、順調に成長し、現在ではメダカ、ドジョウ、スジエビと共にオタマジャクシや、ギンヤンマのヤゴなどの姿をよくみることのできる池となっています。
  このように、「母と子の森」は林や草原、池や湿地が組み合わされたビオトープで、都会で見られなくなった貴重な生き物のオアシスとなっています。街の中に作られた小さな里山のような環境です。
 
しかし、この生き物のオワシスは人手により守られた環境です。人の管理と自然が持っている復元能力とうまくバランスして出来上がっている環境なのです。だから、樹木類が成長して環境が変化することの無いように、「森の会」のボランティアと管理事務所により、笹刈りや低木の間引き、池さらい等の管理も行われていますが、採集などの影響で復元能力がうまく働かずに、カエルなどの生き物の数が減ることがあります。
 
 私たちが今一番心配していることは、「母と子の森」で順調に増えてきた生き物の数が採集などの影響により減ることです。観察した生き物は、持ち帰らずに元の場所に放してあげてください。
 
 「母と子の森」では、生き物の生息環境を守るために皆様のご協力が必要です。

●動物や植物を採集しないでください。(後で来た子供達が観察出来なくなります)

●コイや金魚、ブラックバス等生き物を持ち込まないで下さい。(小さな生き物や水草が食べられてしまいます)

●池の中やロープの中は保護区域です。足元が悪く大変危険ですので人らないで下さい。     
夏から秋にかけてズメバチがいたりしますので、彼らに注意をして刺激しないようにしましょう。

●トンボが他にいるのは産卵のためです。採集は止めましょう。羽化したトンボは林や草原で餌を採ります。

●ヒキガエルも普段は林に住みカやハエなどの昆虫類などを食べてくれます。産卵のときにのみ池にやって来ます。オタマジャクシを採集するとこの林の中に住むヒキガエルが少なくなってしまいます。




「母と子の森」はいろいろな生き物が住める環境です。「母と子の森」の、池、林、草原は街中ではとても大切な場所です。この、「母と子の森」では街の中の自然について多くのことが学べます。
 大切にしましょう。

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