小学生の頃、「こっくりさん」という一種の占いが流行りました。

クラスのいじめっ子が、放課後、ふざけて私の寿命を占いました。

その子は、「おまえは21歳だってぇ〜、早いよなー」と、はやしたてました。

占いとはいえ、未知なる死を、そんな形で告げられ、ショックでした。恐くて、不安で、どうしよう・・・。

とっさに、私が何をしたか。

生まれてはじめて、「こっくりさん」を自分で呼びました。そして、ききました。

「私を守ってくれますか?」

こたえは「YES」でした。鉛筆を握った指に手応えがありました。ほっとしたら、涙が止まりませんでした。

それから十数年、大学1年の夏休み、旅先の沖縄県石垣島で飛行機の事故に遭いました。

オーバーランを起こした飛行機は爆発炎上。21歳の誕生日の翌日でした。

荷物はすべて消えました。

私は、生きています。本当に守られました。ありがとうございます。

若かったけれど、いのちを意識するようになり、人生の考え方が変わりました。

物の見方、取り組み方が肯定的になったのです。

生きていることには、意味がある。

すべての出会い、出来事は、偶然ではなく、自分の成長のためにある。

いろいろな体験ができることは、学び豊かで幸せなこと、というように。

「お金で買えない体験をしたね。・・・・」

戦争も、関東大震災も体験した、明治生まれの祖母の言葉も励みになりました。

その後のいくつかの「まさか」の体験から、人間の可能性に気づき、その「気づき」を人生の「築き」にしたいと思っていた時に、「WELLNESS(ウエルネス)」という、健康の概念に出会いました。これも、偶然ではないのでしょう。

ウエルネス」という言葉は、「GOOD」の比較級の「WELL」と、名詞を示す「NESS」をあわせた、造語です。

英語のウェブスター辞書には載っていませんが、日本語のイミダス辞典には載っています。

「より良く生きる」、「元気に生きる」、「好い加減で生きる」、「自分らしく生きる」・・・、それが健康につながるということ。

WELLNESS」は、最終的には自分らしい死を迎える、死生観をも含む、積極的な生き方を奨励します。

「自分の人生は自分でつくる」、「自分の健康は自分でつくる」、生涯かけて自分を探索し、こころとからだの変化に気づき、生活習慣を改善していく、自分が主役の生き方です。

現代社会は、ストレス社会と呼ばれています。

世の中は、技術革新、スピード化を“進歩”としています。その恩恵は数々あります。しかし、日常生活もそれら“進歩”の流れに乗り、楽で、摩擦のない、合理的な生活を求めた結果、コンピューター等、機械と触れる機会はふえましたが、人間関係が希薄に感じられるようになりました。残念ながら、周囲に対して、無作法で思いやりに欠ける言動も、老若男女に見られるようになりました。

物質的に豊かで便利になった反面、こころの余裕は何処に行ってしまったのでしょう。

私たちは、関係性の中で生きているからこそ、人、物、事から影響を受けています。例えば、会社の人間関係が思わしくない、家族と折り合いが悪い、仕事量が多い、仕事が合わない等、が挙げられます。それらのストレスが、健康に悪影響をもたらします。国では、社会問題化した、うつ、疾病対策として、こころの健康づくり、メンタルケアの取り組みに本腰を入れ始めました。

ウエルネスを奨励する一人としても、このまま傍観してはいられません。

では、何ができるか?

実生活で、私自身の言動を改善しながら生きること。そして、気持ちのよい改善方法をより多くの人たちに伝えていくこと。理論武装した評論家ではなく、実践しながら、学び、伝える、の繰り返しが、<紫音>の使命だと考えています。おかしいと思ったことを、環境、周囲、社会のせいにしていては何も変わりません。小さくてもいいから、よりよい方向へ自分が変わってみること。これが、人間として生まれてきたからこその「自己成長」ではないでしょうか?

人間は変化する力を持っています。与えられている、ともいえるでしょう。その力を発揮するのです。
人間は、強い部分と弱い部分の両方を持ち合わせています。力不足の時は、他者の力を借りてもいいのです。支援、助け合いも、ウエルネスライフ(健幸生活)では大切です。

紫音>では、現在、人材研修、講演が主ですが、ウエルネスの立場で、教育、労働、保健、医療、福祉をつなぎ、縦割りの研修教育と健康教育の各領域の統合を目指します。健康を視点においたオリジナルのまとめ方です。

組織、地域が健全であるためには、それらの場を構成する人材が健康であることが必要なのは想像がつくでしょう。人材は、「人財」、人は財産です。

経営コンサルタントという職業があるなら、人間の可能性を信じ、人間を元気に導く、「健幸生活コンサルタント(ウエルネスコーディネーター)」が存在してもいいと考えます。

紫音>は、個人の価値観を肯定しながらも、凝り固まった考え方、行動のくせに気づきをもたらし、より良く生きるモチベーションを高めることを生きがいにしています。そして、出会った皆様から、<紫音>は次への活力を得るのです。

紫音>との出会いが、個人のウエルネスライフ(健幸生活)のきっかけとなり、人間の集まりである、組織、地域社会がより元気になれば幸いです。